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プロローグ1-3

   そうしてその病院で僕は東寺を知り空海に出会うことになるのです。今まで宗教そのものに対してあまりいい印象はなく、ひとつの宗教に凝り固まること自体好きになれなかったこの僕が東寺を知り立体曼荼羅を知ることで空海と出会いそして真言密教という世界を垣間見ることができたきっかけとなったのでした。
 その病院は比較的大きく図書館がありしました。何とか車椅子での移動が可能になった頃、よくひとりでその図書館に通ったのでした。そしてそこで何冊か借りた本の中に東寺の写真集があったのです。その本は有名な写真家が東寺の四季を撮ったものでした。そのなかに東寺の講堂にある立体曼荼羅の写真を見て、「はっ」としたのです。それは今まで大仏といえは奈良の大仏しか見たことがなくなかったので、奈良の大仏以外にも大仏が存在することが以外であったことと、何よりもその仏像のなんとも言えない『包み込むような』表情に惹かれてしまったのでした。以来、僕が一人で歩けるようになったら必ず東寺を訪れて実際に立体曼荼羅を見ようと、それは僕の退院へのひとつの目標でもあったのです。
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